【レビュー】自分らしく自由に生きるために「嫌われる勇気」から学べること

2019/08/18

(更新日:2019/08/26

【レビュー】自分らしく自由に生きるために「嫌われる勇気」から学べること

今の生き方に不満がある、自由に生きたいと思う人は「嫌われる勇気」を読むことをおすすめします。

「嫌われる勇気」はアドラー心理学の入門書で、少し前にドラマにもなったベストセラーです。

私が本書を読んだ感想を一言で言うと、「他者に期待をしない生き方」です。

この考え方は今の時代、日本人は参考にしたほうが良い生き方だなと思いました。

この記事では、自由に生きるために「嫌われる勇気」から何を学べるのかを書いていきます。

「嫌われる勇気」の感想

この本をまとめると、

  • 他人に合わせると自由には生きられない。
  • 嫌われる勇気を持つと楽に生きられる。

ということが書いてあります。

そして、自由に生きる上で必要なこととして、承認欲求を否定すると説いています。

なぜかと言うと、「あなたは他人の期待を満たすために生きておらず、そして他人もあなたの期待を満たすために生きていない」からです。

リアルの人間関係や、最近だとSNSなどを使って承認欲求を満たそうとする人も多いですが、他人に認められたいと思うと、他人が認めてくれるように自らを偽る事に繋がります。

この状態はとても自由に生きているとは言えません。
だからこそ、嫌われる事を恐れずに自由に生きていこう、という事です。

私が27歳くらいのころに、海外で働いているエンジニアと話をしたときに、すごく自由に未来を考えていると思った事があります。

その方は30歳でドロップアウトすると決めて、そのためにはどうするかを考えていて、オンライン講座を作ったり、本を執筆したりという活動をしていました。

恐らく、「今までの経験から可能な選択をしてるだけ」なんでしょうが、当時はスキルを上げることしか頭になかったので、すごく印象に残っています。

なぜ「他者に期待をしない生き方」と私が解釈したか

冒頭で「他者に期待をしない生き方」と本の感想を述べました。

その理由は、アドラー心理学では徹底的に自分と他人を分けて考えているからです。
そして他人の課題には介入せず、自分の課題をクリアすることだけを考えていく。

他者への関わり方も、自分が自分のためにギブするという考え方で、相手から何かを期待するという事はありません。
ただ、これは一方的に他人を信用すれば良いというのとは、ちょっと違うと感じました。

例えば部下に仕事を任せるときも、お互いの課題を整理・分析して、ゴールまでの道筋をシンプルに示す。
ある意味では、非常に冷めた目線です。

「嫌われる勇気」で心に残った部分

ここでは「嫌われる勇気」の中で、特に心に残った部分を書き出していきます。

原因論ではなく目的論と考える

「今までの人生に何があったとしても、今後の人生をどう生きるかについては何の影響もない」

例えば、引きこもっている人は「いじめられたから引きこもっている」と考えます。

ですが、アドラー心理学ではこれを否定していて、引きこもっているのは今が楽で、それを変えるのは不安だからと説いています。

フロイト心理学などの原因論は、過去の経験がトラウマとなって今苦しんでいると考えます。
しかし、アドラー心理学では今楽になりたいから過去の経験を記憶から探して、トラウマにしていると考えます。

アドラー心理学の未来志向という考え方では、過去の経験は変えられなくても、これからの目的は変えられると言っています。
それは、過去の経験や自分の感情に関係なく、未来への行動を自分で選べるということです。

すべての悩みの原因は対人関係

「他者がいなくなり自分一人になれば、あらゆる悩みが消え去る」

「劣等感」や「他人を敵とみなす人」など、悩みの原因はすべて他人がいるからこそ起こるもの。

これは納得する内容でした。
私自身フリーランスになってからは、人と関わる機会が極端に減ったのですが、結果悩むということが無くなったからです。

とはいえ他者ではなく社会に属していると、自身で解決できない問題として、お金の問題とかはありますが。

この本では、対人関係では「他人の課題」と「自分の課題」を分離することが重要と説いています。

他人の課題に介入しない

他人の課題に介入しないというのは、例えば引きこもりの子供がいる親が、子供を学校へ通わせようと外に出すことは出来るが、実際に通うかどうかは子供次第ということです。

この時に、学校に通うかどうかは子供の課題のため、親は子供を信じ勇気づけることしかできません。
そのため親は子供の引きこもりを、直接的に治す事は出来ないということを理解する必要があります。

他人を自分の課題に介入させない

また、他人を自分の課題に介入させないという考え方も大事です。
例えば、上司が怖くてブラック企業で会社が辞められない人が居いたとします。

これは、「上司のせいで辞められない」のではなく、「辞められないのを上司のせいにしている」だけとなります。

会社を辞めるために辞表を出すのは、あくまで自分の課題だということです。

過去や未来を見て生きることに意味はない

「人生は連続する刹那である」

これは凄く印象に残るフレーズでした。

多くの人の人生は、ある日突然終わりを迎えるものです。
だからこそ、今を楽しむ、今を生きる。

日本人は将来のことを考えすぎですし、悲観しすぎなので、ぜひ考えてほしい内容です。
おそらく今の日本は信じるものが無い状態なのかなと思います。

NBAでベストパフォーマンスを出す人を調べたところ、宗教を強く信じているか、自分を強く信じているか、という調査結果が出ました。
要するに何かを信じれる人間は強いってことなんですが、日本人の多くは無宗教で、自分を信じられるような民族性でもないですよね。

そんなときは、アドラー心理学の「自己受容」という考え方を参考にしてほしいです。

これは「肯定的な諦め」という言葉が使われていて、「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極める事が大切と説いています。

「変えられないもの」については諦めて、自分に与えられたものをどう使うかを考えていきます。
そして、自分の中に「変えられるもの」があるのであれば、変える勇気を持つことが大切です。

生きる意味とは

「一般的な人生の意味はない」

アドラー心理学では、他者へ貢献さえできれば、迷うことはないし、何をするのも自由だと言っています。
「他者貢献」とは、他者に何をできるのか、という事です。

家族のために家事をする。
困っている友人を助ける。

「嫌われる勇気」というのは、他者への貢献が前提のうえで、嫌われる人には嫌われていても、自由に生きるということを肯定する内容になっています。

「嫌われる勇気」を実行するための、はじめの一歩

「嫌われる勇気」は、Amazonでもすごく売れていてレビュー評価も非常に高いです。
ただこの本を読んですぐに意識が変えられるかと言うと疑問です。

人間は環境に引っ張られるので、普段の生活に戻ると仕事に忙殺されてしまいますよね。

そういう人は、定期的に一人で集中する時間を作るのがおすすめです。
例えばマインドフルネス(科学的な瞑想)など。

ちなみに私は、ソロキャンプの焚き火で、一人で思考する時間をつくっています。

一人で焚き火をする効果

人は火を見ると安心する、リラックスできると言われています。
しかし、実際に夜のキャンプ場や山の中で焚き火をしてみると、それだけでない事に気づきます。

周囲に一切の明かりがない中、目に映るものは焚き火だけ。
そうなると、目の前の焚き火にすごく集中している状態になり、悩みなど余計な事を考える隙が無くなります。

私は思考が空っぽになった状態から、改めて自分を見つめるという事をしています。

ソロキャンプで焚き火の時間は、一人で集中する思考するには最適の環境です。

キャンプを趣味にするメリットは、こちらで詳しく書いています。

趣味がない男性にこそソロキャンプがおすすめな理由

まとめ:この本は他者との関わり方を考えさせらる

「嫌われる勇気」を読んでの感想を書いてきました。
自分らしく自由に生きたいと思う人には、ぜひ読んで欲しい本です。

私はエンジニアとして10年会社員をしてきましたが、残業多いし、土日はプライベートな学習時間で一切遊ぶこともなく、すごく消耗をしてきました。

ただ、30歳になってどれだけスキルを上げても、人生の幸福度は上がらないことに気づいてからは、スパッと今までやってきたことをやめました。

会社員をやめて、過度な学習もやめました。
また、それまで会社に近い場所で、勉強会に参加しやすいようにアクセスの良い白金あたりに住んでましたが、それもやめました。

今は完全リモートワークのフリーランスエンジニアで、郊外暮らしで生活コストを下げて、やりたい仕事や開発をやるような人生を送っています。

その結果、仕事時間は大幅に減って、会社員の頃の半分以下の仕事時間となっています。
それでも会社員の頃よりお金は溜まるので、心も体も余裕がある人生を送っています。

この本を読んで一度立ち止まって考えてみると、自由に生きるためのきっかけになります。