この本は、今の仕事をこのまま続けるべきか、悩んでいる人におすすめの本です。
本書では、前提として仕事の対価であるお金と、どう向き合うかという部分にも力をいれています。
日本では、「お金 = 悪」みたいな考え方や、お金を稼ぐには汗水たらして、みたいな古い考え方をしている人も多いです。
しかし最近は、終身雇用制度がとうとう維持できないという話と、年金だけでは暮らしていくのが厳しいという現実がつきつけられ、日本人は仕事とお金にどう向き合っていくのか、考え方を変えなければいけない時代になりました。
徐々に副業が認められ、個人でビジネスがやりやすい環境になってくると思うので、未来のために今どうすべきか考えたい人は読んでみることをおすすめします。
【要約】「好き」を「お金」に変える心理学
本書で言いたいことをまとめると、
- お金の適量を知ること
- 幸せに生きるために「好き」を仕事にする
ということになります。
個人的には、好きなことで稼ぐ部分よりも、お金に向き合うという内容のほうが心に刺さった内容でした。
本書で一番心に残ったのは、「お金と幸せのバランス」の話です。
足るを知る
コーヒーショップに行って、コーヒーがビールジョッキで出てきたら、どう思うでしょうか?
こんなに飲めないし、残したらもったいないなど、様々なことを考えると思います。
これは、自分が欲しい量が、自分で分かっているからこそ、こんなにいらないと思います。
しかし、お金のことになると「自分の物差し」が機能しなくなり、適量がわからなくなります。
この本では、「お金」は仕事に出来るぐらい「好きなこと」に使うことが重要で、「お金は減るけど、スキルや経験は減らない」という思考が大事だと言っています。
ちなみに、「モラル・ライセンシング」という心理学も紹介しており、これは「正しいことをしたあとに、少し悪いことをしたくなる」心の動きと説明しています。
- ダイエットのためのトレーニングのあとに、少しあまいものを食べてもいい。
- 高い買い物我慢したから、少し奮発した食事をしてもいい。
実際に正しいかどうかではなく、自分が「正しいことをした」だけで誘惑に弱くなります。
なので、「正しいからやる」ではなく、「楽しいからやる」に気持ちを変えることが大切です。
「好きなこと」でお金を稼ぐステップ
- ステップ0:自分が本当に好きなことを見つける
- ステップ1:「好きなこと」を極めて行く
- ステップ2:「好きなこと」を収入に結びつけていくための工夫をする
- ステップ3:「好きなこと」で得たお金を再投資する
自分が今の仕事をどう感じているかのチェックシートから、好きな事を見つける方法の紹介からはじまりおます。
もし、今の仕事がフロー状態(集中して時間が短く感じる状態)になれるものであれば、好きになれる可能性があると言う話です。
そして、好きなことでマネタイズをする方法として、
- 自分は何が好きで、どれだけ得意で、具体的に何ができるかを把握する
- 自分が出来ることを周りに伝える(言葉にすることが、投資になる)
マネタイズでは、「弱いつながりを大切にする」ことが重要と書かれています。
例えば、昔一緒に仕事したことある人や、家族や友人からの間接的なつながりの人、身近な人はあなたと似たような環境で生活や仕事をしているため、今の環境から飛び出すには、薄くて広い人脈が必要ということです。
再投資のルール(好きで稼ぐループ)
そして好きなことで稼ぎつづけるための考え方、7つの紹介です。
物より経験を買う
物よりも好きなことを伸ばせる経験にお金を使う。
承認欲求が強い人は、高級車など好きでもないものを買いがち。
価格よりも価値を見る
「価格とは、何かを買う時に支払うもの。価値とは、何かを買うときに手に入れるもの」
物を買うときは、それが自分にもたらす価値を考える。
これは投資したお金以上の利益を得るという意識を持つことで、「好きなこと」を仕事にするときには大切な考え方です。
好きなことであろうと、500万の投資で50万しか回収出来ないのではマネタイズ出来ません。
お金は自分なりの価値の物差しをもって使う
投資家のウォーレン・バフェットは、株を買う時に会社の情報を調べ自分なりに値付けする。
それよりも株価が低ければ買う、高ければ買わない。
自分より他人に使う
ギブ&テイクではなく、他人にギブをする人間になることが社会的な成功にもっとも成功できる。
人には辺報性の法則がある。(何かをもらった相手に、もらったもの以上の物を返そうとする法則)
とくに弱いつながりの人にギブすることが重要。(仕事で昔関わった人のように関係が薄い人)
チームを作る
「好きなこと」を仕事にするためにチームを作る。
自分とは異なる能力を持った仲間を作る。(中の良いだけの親友はダメ)
時間を買う
何をするにも一定の時間が必要になる。
友人の愚痴を聞くために飲みに行くと、5000円+3時間を失うことになる。
お金を稼いでいる人ほど、時間に対するコストを強く意識している。
力を最大化させる
ま何かと何かを掛け合わせると、誰もやっていない仕事になる。
また、「好きなこと」に関する自分の能力を把握して、自分の能力がどういう人の役に立てるか考える。(自分で仕事をつくる)
【感想】「好き」を「お金」に変える心理学
この本はお金と向き合うためにはとても良い本だと感じました。
日本ではあまりにもお金に対する考え方が良くありません。
汗水たらして稼がないお金は汚いお金とか、お金を稼ぎすぎる人も非難されたりします。
この考え方を払拭しないと、日本人はどんどん貧しくなるため、お金への意識を変える最初の一歩としておすすめです。
ただ、好きな事を見つけるけるというのは、かなり難しいので本書の通りにやって見つかるかは分かりません。
また、マネタイズの部分は若干の古さを感じました。
この本はどちらかと言うと、リアルで人脈をつくって仕事を獲得する感じで書いてますが、今の時代だったらSNSやYouTubeを使うのが早いと思います。
そこについては、時代にあったやり方を考えていくか、別の本を参考に読むことをおすすめします。
ちなみに「好き」な事で生きていく上で一番重要だと思うことは、承認欲求をコントロールすることでしょうか。
本書の中では、高級な車やブランド品を買うことで、一時的に承認欲求を満たされるとも書いていました。
ただ、あくまで一時的なもので、もっと高いブランド品が欲しくなるような負のループに陥ります。
承認欲求には、それで頑張れるという一面もありますが、基本メリットがありません。
承認欲求のコントロールは、一人の時間を作るところから始まる
今の時代、昔に比べて承認欲求のコントロールが難しくなっている、と思っています。
それは、SNSが出てきたことで、いつでも他者と関わることが出来ることが原因です。
当然ですが、承認欲求というのは他者がいて初めて起こるものです。
では、コントロールするにはどうすればよいのか?
私は、「一人になり、自分と向き合う」ということが重要だと思っています。
できれば、日常生活の空間以外で、です。
なぜかと言うと、例えば家だと一人になってもPC使ったり、ベットでゴロゴロしたりとリラックスしすぎてしまうからです。
私はがどうしているかと言うと、ソロキャンプで焚き火をしながら、一人になる時間を作っています。
キャンプ場は夜は何も見えないくらい真っ暗です。
その非日常空間で、一人焚き火を前に心を落ち落ち着けます。
周囲が真っ暗で、焚き火しか見えないので、嫌でも目の前に集中して、頭の中が空っぽになります。
一度頭を空っぽにしてからは、Kindleでビジネス書読んだり、自分の人生について考えたりしています。
ソロキャンプをはじめてからは、結果として生活環境を大きく変えました。
会社員からフリーランスになり、仕事時間が圧倒的に減らして生きています。
どう影響があるかは人それぞれですが、30歳超えて気づいたことは、大人はどこかで自分と向き合う時間が必要だということです。
その空間づくりには、ソロキャンプはとてもおすすめです。
大人の趣味として、こちらの記事でソロキャンプについて詳しく紹介しています。
【大人の趣味】ビジネスマンがソロキャンプで一人の時間をつくるメリット